導入事例 中規模A会社様
ご相談は、「ハードウェア 3台 が老朽化し故障が頻発している。OSの稼働が危うい状態。なんとかならないか。」という 内容でした。対応した結果、費用は設計・構築・P2V 3台で 27万円、ハードウェア費用 15万円でした。
ヒアリングした結果、無償ライセンスの ESXi で要件が足りたため、これに 3台のラックマウントサーバを P2V します。 事前にヒアリングし準備することで、現地作業は2日で対応を完了しました。
ハードウェアは低価格で静音性と省スペースを実現した富士通 PRIMAERGY TX1320 M3Sを採用。SSD×2を含み費用は15万円で収まります。 このハードウェアに VMware ESXi 6.5 Update 2 を導入しました。 ゲストOSのライセンスはお客様がお持ちのものを利用いただきました。
SE費用は下記作業で27万円となりました。
- 3台のサーバを物理から仮想に移行
- ラックの配線撤去UPS撤去および新サーバへ配線
- 物理1台はCOMポートを使用しFAXサーバとなっていた、仮想マシンにCOMポートを割り当て引き続き利用できるよう設定
- 設計設定パラメータシートを納品
ヒアリングした結果、他にも下記のような課題が分かりました。
導入前の課題
- 老朽化したHWの故障に備える HWは合計3台。
- HWの騒音を解消する HWは事務室の片隅に置かれたハーフラックに設置されていました。
- HWの熱対策を止める 居室なので夏間はクーラーが効いているのですが夜間、休日はこれが停止します。
- HWの配置スペースの問題を解消する 本来事務員が作業するスペースにラックを設置しているため、作業ができないデッドスペースとなってしまっていました。
- データ処理速度を向上しエラーを防ぐ 毎週、データベースの集計をするそうなのですが、これがとても時間がかかる。
- 省電力化を図る ラック内に実装されたHWはサーバー3台、UPS2台。昔のCPUは電気を良く消費します。
- できるだけ費用を抑えたい 現在 Windows Serve 2008 が稼働しておりハードウェアを含め更改を予定しています。そのため、現状としては費用を最小限に抑えたいとの事です。 格安、激安で構築したいと希望がありました。ESXiを無償ライセンスで利用できたことは大きいです。
10年前の NEC製1Uサーバ。うち1台はずいぶん前に故障し起動しない。
残りの2台を対応したい。ドメインコントローラ1台・FAXサーバ1台。追加でオペレーションサーバ1台。
休日に対応したので余計に大きく感じたのかもしれませんが、FANとUPSの音が大きい。 特にUPSはバッテリーのへたりから数秒おきに警告音が出ています。
警告なので知らせる目的があり耳障りです。よく、我慢されていますね~。
そのため、HW専用にスポットクーラーが設置されていました。
できることならHWを設置したくない。
時にはタイムアウトし正常に完了できません。
稼働中のサーバーは2台。1台250Wとして、2台で500W。
年中電子レンジを回しているのと同じ消費電力です。
電気料金はおおよそ1日300円。毎月9,000円。年間108,000円というところでしょうか。
さらにこれにスポットクーラーの電気料金が追加されます。クーラーは 500Wどころで済まない電気を消費します。
課題解決の手段の検討
コンパクトなHWを調達し仮想化技術で既存サーバを集約することを提案。クラウドを利用したいと要望がありましたが、 HW依存のFAXサーバがあり今回は、仮想化の足掛かりとしてオンプレミスとなりました。メリットは下記のとおりです。
- ごくわずかなスペースに配置が可能
- クラウドでは不可なHWに依存したデバイスを使用できる
- 省電力モデルを採用することで消費電力だけでなく発熱やFANの騒音抑えられる
- 保守が容易
- 今回は3サーバが対象だが、必要に応じ追加集約も可能
実装結果
移行元の物理サーバは 2009年モデルの NEC Express5800/R110a-1 で、CPU は (2.83GHz/4Core/Hyper Threadなし)です。 メモリは2GB、HDDは160GB。OS は Windows Server 2008 です。
物理サーバは富士通 PRIMAERGY TX1320 M3 を採用しました。CPU は Xeon プロセッサーE3 1230v6(3.5GHz/4Core/Hyper Thread) メモリは12GB、SSDは960GB×2のミラーとしました。OS は VMware ESXi6.5 Update2 です。
- VM1 ADサーバ
vCPU×4 Memory 4GB HDD(SSD) 150GB×2 OS内でミラーリング - VM2 FAX・SQLサーバ
vCPU×4 Memory 4GB HDD(SSD) 150GB×2 OS内でミラーリング COM1をダイレクト - VM3 オペレーション
vCPU×2 Memory 4GB HDD(SSD) 50GB×2 OS内でミラーリング
vCenter Converter を使用し物理サーバを仮想環境に移行しました。正しい手順で実施しますがエラーとなります。 これは、移行元の物理サーバの HDD がスワップの嵐でレスポンスタイムが極端に悪くサービスがタイムアウトするためです。 サービスのタイムアウト値を伸ばすことで正しく動作します。
P2Vが完了しCOMポートにFAXモデムを接続します。テストのためFAXを発信してもらうのですがうまくいきません。そういえば先ほど既存サーバにUPSが 接続されていました。サービスからUPSの管理サービスを停止・無効にしました。無事にFAXが送受信できるようになりました。
会社が休日の土日を利用し無事に移行を完了することができました。
その後
お客様から一番評価頂いたのが1週間に一度SQLで統計処理をする時間がとんでもなく短くなったというものです。特に20分経過してタイムアウトすることもあり。 ストレスが溜まっていたとのことでした。それが、ものの1分程度で完了するので感激したそうです。
一番の要因はSSD化で次にメモリを4GBにしたことが効いています。 また、サーバーから発する騒音と熱からも解放されました。経営者の観点からは電力消費量が激減し料金に響いてきます。追加で2VMくらいは実装できそうです。
結果にとても満足いただき、もっと早く仮想化しておきたかったとの事でした。
こちらの会社様はADのセキュリティやファイルサーバの統合など提案すべきことは沢山ありそうです。
またのご利用を宜しくお願い致します。
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